法人化することで何が変わるか

個人事業主様の中には法人化を検討されている方もいらっしゃると思います。法人化することによって様々なメリットが得られますが、メリットだけに目を向けるのではなく、法人化することで何がどう変わるのかを把握することも大切です。以下にて、法人化による変化についてご紹介しますので、法人設立や法人化を検討なさっている方はぜひご参照ください。

よく「法人化すると社会的信用が向上する」と耳にすると思います。これは、法人化する際に必要となる「登記」と関係があります。登記の際には商号・目的・本店所在地・資本金・代表取締役の氏名などの事項を記載しますが、これらの情報は法務局に手数料を支払うことで、誰でも確認することができるのです。そのため、取引先となる相手は「この会社と取引しても大丈夫か？」といったことを簡単に調べることができます。

このように、登記という行為が公的な担保のような役割を担っているため、個人事業よりも信用度が高まるといわれています。

個人事業で倒産に陥ってしまった際、残された借入金や未払い金、税金の滞納分については、自腹を切ってでも完済しなければなりません。これはいわゆる「無限責任」と呼ばれるものですが、株式会社はそれと対比関係にある「有限責任」となります。

有限責任の場合、仮に借金を抱えた状態で会社が倒産しても、社長個人が借金責任を負うことはありません。出資した範囲内で返済義務が生じるのみです。このように、法人化により「責任」が大きく変わります。

資金調達の方法は様々ですが、代表的な方法としては「銀行からの融資」が挙げられます。ご存じの通り、銀行等の金融機関を通して融資を受けるためには、審査に通らなければなりません。

審査の方法は各金融機関によって異なりますが、やはり社会的信用度が高い法人の方が、大きな融資を受けやすいといえます。また、法人には「開業準備資金融資」などの制度的優遇による恩恵も大きいため、個人事業よりも資金調達がやりやすい立場にあります。