相続が始まると、相続人は被相続人の財産に属した一切の権利義務を継承することとなります。とはいっても、被相続人の財産すべてが相続財産となるわけではありません。以下にて、相続財産となるもの、ならないものについて簡単にご紹介いたします。
相続財産となるもの
相続財産となるものは、大別すると二つに分けることができます。
● 積極財産(プラスの財産)
現金・預貯金、有価証券類、借地・借家権(使用賃借は含まない)、不動産(自宅の敷地・建物、マンション、農地・山林等の土地、賃貸不動産など)、売掛金、自動車、特許権・知的財産権などが積極財産となります。
● 消極財産(マイナスの財産)
借金(住宅ローンや消費者金融からの借り入れなど)、債務(未払い賃料や保証債務など)、税金(住民税、固定資産税など被相続人の未納分全て)、これらのほか、未払い医療費や預かり敷金等も消極財産となります。
相続財産とならないもの
● 墓地、仏壇など祭器に関するもの
墓地や仏具など祭器に関するものは、祭器を継承する者が引き受けることとなるため、相続財産とはなりません。
● 一身専属権
被相続人の一身に専属したものは相続財産とならないとされています(民法896条但書)。一身専属権とは簡単にいうと、被相続人「その人」でなければ成立しない権利や義務のことです。明文規定があるものとしては「代理権」「使用賃借における借主の地位」「雇用契約における被用者の地位」「組合員の地位」などが挙げられます。
● 死亡保険金、死亡退職金
死亡保険金、死亡退職金のどちらも「受取人固有の財産」とされているため、本来の相続財産からは除外されることとなります。しかし、これらの財産は少し特殊で、相続財産としては除外されるものの、相続税の課税対象となっています。
以上、相続財産となるもの、ならないものについてご紹介しました。上記でご紹介したものは一部に過ぎませんので、詳しくは行政書士等の専門家へご相談ください。
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